日本に多い八木式アンテナの魅力とは?メリット・デメリットも解説

近年では、さまざまなタイプのテレビアンテナが販売されるようになり、ご自宅に合ったアンテナを自由に選択する事が可能となってきました。

しかし、あたらしいものが販売される中、昔から多くの人に利用されてきた「八木式アンテナ」を変わらず利用されるケースもめずらしくありません。

ここでは、今でも多くの人に利用される八木式アンテナの魅力についてお話ししたいと思います。

八木式アンテナとは?

八木式アンテナとは、屋根上に設置するタイプの、魚の骨のような形をした金属製のアンテナです。テレビアンテナと聞くと、多くの人がこの八木式アンテナをイメージするのではないでしょうか。

八木式アンテナは、アナログテレビの時代から多くの人が利用しており、日本で広く普及しているアンテナです。現代でも多くの住宅に設置されている八木式アンテナですが、その歴史は古く、なんと約100年前の1924年に開発されたといわれています。

放射器(ラジエーター)・反射器(リフレクター)・導波器(ディレクター)が前後に配置されている構造となっており、基本的に素子(エレメント)が多いほど感度が高くなる作りです。また、テレビの電波を受信する以外にも、FM・AMラジオやアマチュア軍用無線など、幅広い分野で利用されています。

八木式アンテナを選ぶ際のポイント

八木式アンテナを選ぶ際には、「物理チャンネル」「偏波面」「動作利得」の3点がポイントとなります。

物理チャンネル

物理チャンネルとは、送信局から送られてくる地デジ電波に当てられたチャンネルです。アンテナを選ぶ際には、自分が住んでいる地域の物理チャンネルに対応したものを選ぶ必要があります。

偏波面

地デジ放送では中継局ごとに異なる偏波面が使われているため、アンテナを設置する際には、必ず受信電波の偏波面に合わせなければなりません。

動作利得

動作利得とは、アンテナの感度のことです。住んでいる地域によって送られてくる電波の強さが違うため、最適な感度のアンテナを選ぶ必要があります。

八木式アンテナのメリット

開発から100年近く経過した今でも、変わらず多くの人に利用されている八木式アンテナには、それ相応のメリットがあります。

アンテナの受信性能が優れている

八木式アンテナの魅力としてまず挙げられるのが、受信性能が優れているため、テレビ視聴が安定するという点です。そのため、テレビ電波が弱いとされている地域であっても、ブースターなどを設置する必要もなく、電波の届きにくい地方局の放送なども安定して視聴することが可能です。

最近では、壁面に取り付けるタイプのアンテナも多く販売されていますが、屋根上に取り付けるタイプの八木式アンテナは周辺の電波を遮る障害の影響を受けにくく、電波の受信に優れていると言われています。

八木式アンテナは素子数によって電波の利得や指向性が高まりますので、電波状態が悪い環境であっても、設置する高和屋角度を調節することにより、確実に電波をキャッチすることが可能なためです。

初期費用しか発生しない

光テレビなどを利用する場合には、月額費用が必要です。しかし、テレビアンテナを設置する場合には、最初のアンテナ代・設置費用のみ発生し、その後に月額料金を支払う必要はありません。

※NHK受信料は必要となります。

安価に設置することが可能

他のテレビアンテナに比べて安価に設置できる点も、八木式アンテナの魅力のひとつです。八木式アンテナは、アンテナの製作や設置の技術が確立されていることから、他のアンテナに比べて安価となっています。

販売されている八木式アンテナにも実績のあるブランドなどが存在し、メーカーによって値段は異なりますが、価格が安いものだと3000円台から購入する事が可能です。

八木式アンテナのデメリット

価格や性能面などに優れる八木式アンテナですが、残念ながらデメリットも存在します。

住宅の外観を損ねる可能性がある

デザインが画一的なため、設置する住宅によっては、外観を損ねてしまうケースがあります。

鳥の糞被害に遭う恐れがある

遠くで見ていると鳥たちが止まっているように見えますが、実際はそこで糞をしていることが多くあります。

鳥の糞は、病原性真菌の増殖に欠かせない栄養素だとされており、人の肺などで増殖して肺や脳に病変をつくる危険性があるのです。糞を放置すると屋根も劣化してしまう恐れがあるため、定期的なお手入れが必要になります。

劣化すると強風や雨でアンテナが倒れる恐れもあるため、注意が必要です。対策として、劣化する前にアンテナ業者に点検してもらうと良いでしょう。

弱電界地域にある住宅は、八木式アンテナを設置しよう

受信感度が低い弱電界地域にある住宅では、八木式アンテナを設置することをおすすめします。反対に、住宅の外観を損ねる可能性があったり、鳥の糞被害に遭う恐れがある場合などには、デザインアンテナをご検討ください。

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